HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第32章 聞かなくたってわかってる《影山 飛雄》(かすみさんリク)
家に帰ると、お母さんとお父さんがお祝いの準備をして待っててくれていた。
「ごめん、体調悪いからもう寝るね」
どうしてもお祝いの気持ちになれなくて、玄関からそのまま自室に閉じ籠った。
壁際の隅で、クッションを抱えて座り込む。
「‥ごめんね、飛雄くん。」
私のわがままだったから。
もう言わないから。
もう二度とデートなんてしなくたっていいから。
たまに、一緒に帰れるだけでいいから。
あなたのバレーをしている姿が、一番近くで見られる女の子で居れればそれだけでいいから。
‥だから、どうか貴方の彼女でいさせてください。
自責の念ばかりが頭を巡って、いつしか考えつかれて微睡み、そのまま意識を手離した。
「、誕生日おめでとう‥」
「ぅ‥きゃっ!」
突如耳元に響いた愛しい声。窓の外はすでに暗くなっていて、うっすらとしか彼を確認できない。
ぱっと光が灯って視界が明るくなり、大きな鞄を携えた彼が部屋の電気紐を握る姿をとらえた。
「飛雄くん‥」