HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第31章 鈍感王子さま《岩泉 一》(kayさまリク)
「えっと‥何だったかなぁ??」
大したことない話だよ、と付け加えた。
まさか貴方とキスができないと相談していました、なんて言えない。
「‥別に束縛とかしたくねぇけど、あんま及川と仲良くすんなよ」
「うん、大丈夫だよ」
さっき楽しそうな顔してたから心配なんだよ、なんて呟きが聞こえた気がした。
そうこうしていると、私の家は目の前に迫ってきた。
私の頭では、先程の話で一杯だ。
私から誘惑‥、すること。
私と歩幅を会わせてゆっくり歩いてくれている彼の制服の裾をそっと掴む。
「岩ちゃん‥」
「ん、どうした?」
立ち止まって、そっと顔をあげて、目を閉じて、止まる。
「‥なんだよ」
その間、ほんの数秒間。間をおいてから、彼は言葉を放った。
「なんか今日はお前変だぞ。どうかしたのかよ」
「‥だから‥っ」
積極的に私から、き、キス顔なんてしたのに岩ちゃんは全く分かってくれない。
「岩ちゃんとキスがしたいの‥っ!さっきも及川さんに相談してて‥っ。」