HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第31章 鈍感王子さま《岩泉 一》(kayさまリク)
及川さんのお話に気をとられていると、聞こえてきたのは彼の声。
「ん?‥じゃねぇか。何でいるんだよ」
「えっと‥岩ちゃんと一緒に帰りたくて。待ってたの。‥迷惑だったかな」
突如現れた彼に、先程の話を聞かれていないか不安になる。
岩ちゃんは私がこんなことを考えていたと知ったら、幻滅しちゃうのかな‥。
「別に、迷惑じゃねぇけど‥。暗いと危ないから、次からは俺に言っとけ。早く準備したり、お前が見学席に居られるようにとか、いろいろ出来るからよ。‥今日は送るから」
ちょっと顔を反らしてそう言う岩ちゃん。そんな彼を見て必死に笑いをこらえている様子の及川さん。
「‥じゃあ岩ちゃん、俺は先に帰るねー」
「おう、さっさと帰れやボケ川」
「ちょっと!何で今ソレ!?及川さん、なにもしてないよ」
騒がしい及川さんをなんとかあしらった彼に連れられて、帰路を歩み出す。
「おい、は及川とさっき何話してたんだ?」