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HQ‼︎ Language of love《短編集》R18

第29章 憧れと《田中 龍之介》


「わるいよ龍、それにバス停までくらい自分で行けるよ?」
「いやいや、方向音痴じゃん。うちの弟くらい軽く使ってやってよ」

遠慮してなかなか首を縦にふらないさん。

「俺は全然構わないっすよ、さん」
「うーん‥龍がいいなら、お願いしようかな?」

ちゃんと守ってやれよ、なんて姉貴の野次をあしらい、さんと共に再び外に出た。


「龍、かっこ良くなったね。‥もう私のことなんて忘れちゃったよね」

隣を歩きながら、間の距離はまだ大分ある中、さんが言葉を発した。

「‥俺はさんのことずっと覚えてました。すげぇ綺麗になってて、一瞬分からなかったっすけど」

嬉しいなぁ、と優しく頬笑むさん。
「さんのこと、すげぇ憧れてました。カッコいいって。‥でも今はカッコいいつーか、綺麗の方が合ってます」

「龍の優しいとこは変わらないね。‥彼女さんいるんでしょ?」
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