HQ‼︎ Language of love《短編集》R18
第26章 Xmasは誰と《赤葦 京治》
京治くんはシンプルだけど、大人っぽくて高身長な彼に似合うファッションで、益々かっこ良く見える。
彼は気づいていないかもだけど、チラチラと女の子たちが視線を送っている。
「お‥おまたせ京治くん。寒いから中で待っててくれて良かったのに‥」
「大丈夫ですよ、それにさんが来たら直ぐに会えるかと思って。」
それに、と呟いて、私の手袋をした手をとった。
「京治くん?」
「さんに暖めて貰うので、気にしないでください」
行きますよ、映画の時間間に合わなくなっちゃいますよ、そのまま手を握って歩きだした。
映画館に着いて、席に座るまでも、私はずっと京治くんにリードされっぱなしだった。
いつの間にかチケットも準備してくれていて、申し訳無いくらい。
「今日は、さん彼氏の俺に格好つけさせて」
なんて優しい顔で言われたら、黙って頷くしかなかったよ。
映画は話題の作品と云うこともあって、ほぼ満席で、クリスマスだからか、心なしかカップルらしき人たちが多い気がする。
上映前はなんて事もない話をしていた私たちも、上映が始まると、みるみる映画に引き込まれた。