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HQ‼︎ Language of love《短編集》R18

第4章 ✴︎恋に酔う≪黒尾鉄朗≫


どちらから言ったのかもう覚えていないけれど、気がついたときには駅近の夜景の見えるバーにいた。

「今日はさ、と待ち合わせ場所で会ったとき驚いたんだぜ、あんまり綺麗になってたからさ」
「私もよ、いつのまにスーツなんて着こなすようになったの」

以前は口にしなかったような言葉が会話に出るのは、私達が大人になったから?それともお酒のせい?
「なんか艶っぽくなったっつーか、美人になった」
本日何杯目かも分からない色のきれいなお酒を傾けながら私の方を向いて言う。

「それは、ありがとう」
「高校生の時、お前と別れなければ良かった」

突然の言葉に沈黙が流れた。
私はごまかすようにお酒を流し込む。
「どうして今、そんなこと言うわけ」
「あのときはバレーのことしか考えてなかった。お前のこと、考えてやる余裕なんて無かった。それだけして出たかった春高も結果は残せなくて、全部終わったあと思ったんだ。」

確かにあの頃、鉄郎に別れを告げられたとき、なんでとは思ったけれど、鉄郎への思いは消えなかった。
それは、今でも。
そうでなかったら元カレとなんて飲みに来るモノですか。

「お前を、離すんじゃなかった、って。」
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