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奈落の底から【BLEACH】

第9章 wings


「…初めて顔合わせした割に結構喋っちゃった。
まあ、要するに悪い人は居ないってことね。」

誰でもほんの僅かな時間でも話してみれば心を開いてくれる。
それが分かって私は嬉しくなった。

その日からの瀞霊廷は狛村の話題で持ちきりだった。

「人狼だった」と聞いて、皆が「えぇーっ!?」と一瞬驚いても、
すぐに「そうだったんだ~。」と受け入れているのを見てまた嬉しくなった。

一番隊の執務室の窓からその様子を眺めていた時、後ろから男性に声をかけられる。

「瀬越、総隊長さんが呼んでるぞ。」

「あ、はい。わざわざありがとうございます。」

「にしてもよく呼ばれるねぇ。何かあるのか?」

「総隊長のお手伝いです…。」

(ただの雑談だなんて言えない…!)

「ふぅん。頑張れよ。」

「はい。」

最近私は総隊長に呼ばれてはお菓子を食べながら雑談する日が増えている。元は修行目的だったものが今は修行なんてする必要がないので、暇つぶしにと娯楽程度で時間を過ごしている。

「おじいちゃん、そろそろ一番隊の人たちにバレそうですよ。」

応接室の椅子に座って総隊長と向き合う。

「儂は構わん。」

「…私もどうってことないんですけど、周りの人の視線がちょっと…。」

「そうか…。だが、もう少し辛抱してくれんか。お主と話せる時間も限られている。」

「…え?」
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