第9章 wings
「皆さん結構酔いつぶれてますね…。」
飲み会が始まってから数時間が経ち、大広間には酔って畳に寝転ぶ人とまだまだ飲み続ける人の二つに分かれていた。
「ほんとよねー!ほら!雲雀ももっとぐいっと行けば!」
私の隣はいつの間にか松本が陣取っていて、絡み酒で私の首に腕を回してどんどん酒瓶を空にしていく。
「乱菊さん、そんなに飲むと明日に響きますよ…。」
「大丈夫よ!」
「松本!お前また遅刻したら…」
「た、隊長…」
さっきまで私の隣で上機嫌にお酒を飲んでいた松本が日番谷の登場によって突然青くなる。
その様子が面白くてクスクス笑っていると、起きている人が次々私のいるテーブルに集まってきた。
その九割が隊長や副隊長で、私はそのお偉い中心に居座ることになる。
「恋次さん、そう言えばあの壊しちゃったのどうなったか聞きましたか?」
「確か、もう何とかなったって言ってたぞ。」
折角近くに阿散井がいたので尋ねると、周りで聞いていた人達が話に入ってくる。
「何の話しだ?」
阿近が身を乗り出して私に聞く。
「現世で街壊しちゃったんです。」
「街壊したって、笑顔で言うことじゃねぇよ。」
ハハッと笑いながら大前田が突っ込みを入れる。
「そんなものどうにでもなる。」
「流石白哉さんは落ち着いてますね…。」
「それでそれで」と会話は尽きず、夜中になるまで私達のいる店からは笑い声が絶えず響いていた。