第9章 wings
「はー。よく寝たぁ。今日があの飲み会だよね。」
朝起きて今日の予定を思い出す。
私はウキウキしながら一番隊で午前の仕事を終え、家で支度を整えた後すぐに会場へ向かった。
「こんなに沢山いるなんて思いませんでした…。」
「だろ!俺もびっくりしたぜ。」
檜佐木から教えてもらった店の前に行くと、大勢の人が集まって一つの集団となっている。
人混みからようやく見つけた檜佐木に近づき、話しかけた。
「あら!雲雀久し振りね!」
隣から現れた上機嫌な松本に肩を組まれて絡まれる。
「乱菊さん!本当にお久しぶりですね!」
「修兵が今日あんたのお祝いだから来てくれって言うから楽しみにしてたのよ。」
「雲雀!」
「ルキアさん!」
朽木が嬉しそうに私に近づいてきて私の前に来る。
そして次々と見知った顔が集まり、私の周りは人で囲まれてしまった。
しかも殆どが書類配達の時に出会った死神であり、一番隊、七番隊、九番隊、十一番隊以外の隊長がいて、副隊長は全員という超豪華メンバーで、それ以外にも十二番隊の皆や仲良くなった人で賑わっていた。
その大人数が店にダーッとなだれ込む様子は圧巻で、
デパートのタイムセールを連想させる勢いだ。
それぞれ大広間に着いて適当な位置に座っていく。
「雲雀の隣もらうね。」
「桃さん!うん。どうぞ。ルキアさんもどうぞ!」
「ありがとう。」
私は両側を雛森と朽木に挟まれ、テーブル越しの正面には阿近がいる。
会場がだんだん盛り上がって来た頃、あらゆる所で乾杯!と掛け声が飛び、お祝いパーティという名の飲み会が始まった。