第9章 wings
「あ〜、いっぱい楽しみましたね…!もう夜ですよ。」
「私も久々にはしゃいだ。」
「ルキアさんの意外な一面が見れて良かったです。」
「…あの、そのだな…」
「どうしたんですか?」
そわそわと恥ずかしそうに目線を泳がせる朽木。
一度照れを吹き飛ばすように咳払いをして、私を見上げた。
「…今日は、雲雀と一緒に居れて良かった。」
「…!本当ですか!嬉しいです…!」
「いつも、皆私の機嫌を伺ってばかりで楽しむことができなかった。初めてだった、雲雀のように普通に接しくれるのは。」
「あ、確か朽木家って四大貴族でしたっけ…?すっかり忘れてました。」
どこかで聞いた情報だったからあまり確信を持てなかったのだが、
今の朽木の話で納得した。
(上の人に睨まれたら怖いもんね…私はあんまりだけど。)
私が言ったことが信じられないとばかりに朽木の目が開かれる。
「忘れてた…!?」
「貴族だってわかってても、ルキアさんを前にしてみるとやっぱりどこにでもいる女の子だな、って思うんです。」
「…そうか。」
朽木は私の目を見て微笑んだ。
余計な飾りなんて無い素敵で可愛い笑顔に私の心も和んだ。
帰り道、私から艶斬を呼んで歩いていた。
「明後日の現世任務楽しみだなぁー。ワクワクし過ぎて眠れないかも。」
『知恵熱でぐったりしないでね。』
「大丈夫!私は超健康体だから。」
『自信満々なのは良いけど、向こうで失敗しちゃダメだよ?』
「それは…うん。まぁ、大丈夫でしょう。」
『はぁ…。』