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奈落の底から【BLEACH】

第8章 dramatically


楽しい夢でも見た気分で目を開ける。
窓の外の空はうっすらと明るくなっていて、
私が寝始めてからどれだけ時間が経ったのかを教えてくれた。
体を起こして布団の傍を見てみると、
浅打ではなく私だけの斬魄刀があった。

綺麗な青と白の糸が緻密に編み込まれた柄を持ち、
ゆっくりと鞘から刀身を引き抜く。
その名の通り、艶やかな青紫の光を放つ美しい刃だった。

「凄く綺麗…私には勿体無いくらい…。」

刀に魅入られた私の口から感嘆の溜息が零れた。
これから歩む艶斬との日々を浮かべて甘い興奮を胸にしまい、
ゆっくり瞼を閉じて二度目の眠りの底についた。

フッと意識が浮上して手を動かすと、
ガシャと何かが動く音と硬いものに触れた感覚がした。

(艶斬だぁ…おはよう……。)

まだ覚め切らないぼーっとした頭のまま挨拶を交わす。
前ならまだ浅打で、どれだけ話しかけても返してくれなかったのに、今回はやはり違った。

『おはよう。よく眠れた?』

(うん…すっごい、爆睡して……って!え!?)

なぜ声が聴こえるんだ、と急に目が覚めて飛び起きた。
そして見たのは布団の横に膝をついて私の顔を覗き込む艶斬の姿。

『朝から元気いっぱいだね。パワフルが一番って感じかな。』

「それが私のモットー…じゃなくて!なんでっ見えてる……!」

『僕は他の斬魄刀と違うんだよ。自由に具現化したりできる。』

「じゃあ他の斬魄刀は艶斬みたいに出てこれないの?」

「できるよ。ただ、僕みたいに斬魄刀の意思で自由に具現化できるのは僕だけだ。
それに、自慢じゃないけど僕は数ある斬魄刀の中でも特別でね。』

「どういう意味?」

『もう大方分かったと思うけど?僕をどう使うかは君次第だ。さ、もう時間だよ。』

艶斬と話してる間に出勤時間は刻一刻と近づいていて、
急がなければ遅刻してしまう時間まで来てしまった。

「ヤッバーーい!」
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