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奈落の底から【BLEACH】

第8章 dramatically


敵対する霊圧に敏感で、死神の霊圧に鈍感だったのも、
もしもの時に一番の敵になるのは死神だったからだ。
両手の刺青の本当の効果はそういうことだったんだ。

それでも、自分が心を開いたことで起こった奇跡なのかも。
ロマンチックな響きに胸を踊らせて、ガッツポーズのまま飛び跳ねた。

「とうとう私も大きな一歩を…!」

「良かったな。」

「ありがとうございました!お菓子とっても美味しかったです!」

「次は茶会での。」

「はい!」

前とは違う状態の自分がどんなものなのか、急いで確かめたくて一番隊を飛び出した。
前の襲撃でまだ復興が続いている街を走り抜ける。
自分の霊圧を消して、建物の屋根の上から様子を見る。
行く人皆の霊圧が分かる上にちゃんと私の存在がバレていない。

(これが隊長達が言ってたやつだ!)

この状況をずっと待ってた!
長かった謎の霊圧問題も解決して、私はあっちこっち歩き回りながら家に帰った。

「私ね、ついに成長したんだよ~!」

壁に立てかけた浅打を腕に抱えながら今日の事を語りかけた。
聴衆は人ではない浅打だったけど、私はいつの間にか眠りについてしまうまで話し続けていた….。

真っ黒な世界の中で、なぜか自分の姿がハッキリと見える。
フワフワとまどろむ意識の中、誰かの声を聞いた気がした。

「我が名を呼べ」

その声は何度も何度も同じことを私に問いかけてくる。

(…ウ〜ン…そんなの知らないよ……。っていうか誰~?)

「我が名を呼べ」

(もー…!うるさい…。)

「我が名を呼べ」

(だからうるさいんだって艶斬!)

艶斬!…と無意識に叫んだ言葉がやけに大きく響いた。
何度も木霊して小さくなって聴こえなくなった瞬間、
眩い一筋の光が差して、黒い世界を照らした。
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