第7章 excitement
「もー…ホント災難…マユリさんに癒してもらおう…。」
目まぐるしさを覚える程たくさんの事があって、沢山の人に会って…頭がついていけない。
そのタイミングで十二番隊へ出向くのは、私にとって最高の休息である。あの変人か変態かの集まりが一番居心地がいい。
隊舎に到着して躊躇無く中へ進む。
ゴボゴボ…プワン…とあらゆる方向から液体の音が聞こえて、
私は今天国にいるんだと浮かれ気分になる。
「マユリさぁぁぁぁあああああああん!」
実験室の扉を思いっきり開けて部屋に飛び込み、
ギューッと涅の背中に抱きついて匂いをたくさん吸い込む。
「…お前は毎度その登場をしないと気が済まないバカなのか!」
私を乱暴に背中から引き剥がして思いっきり睨みつけられる。
「怒らないでくださいハゲますよ。」
「これまでもこれからも私が髪の毛で困ることはないヨ。」
「カツラかぶりますもんね。」
「そういうことを言ってるんじゃないヨ!」
「それはともかく、今何の実験してるんですか?カツラ?」
話題を転換しきれていない私に、涅は力が抜けたようにドッと息を吐いた。
「…これを見るのだヨ。」
机の上に置いてあった物を手に取って私に見せる。
「腕輪…ですか?」
白く光を反射して輝く綺麗な円を描いた輪を食い入るように見た。
「これを身に付けると身体の自由が効かなくなる代物でネ。
だがまだ完成ではないのだヨ。」
「えー…また物騒な物を…。」
「お前の言う物騒を更に越したものを作るつもりだヨ。」
「えー…趣味悪い…。」