第7章 excitement
「僕は攻撃を美しく躱しただけだ。木刀を振り回す猿の斬撃を受け止めるつもりはないよ。」
隣のスキンヘッドとブツブツ言い合いをしながら人混みから現れたのは…
(何て派手な死覇装…!)
派手というか、おしゃれ…?っぽい格好の男性。
2人の間に小さな火花が飛んだ気がして、すかさず止めに入る。
「お、お二人共!喧嘩はダメです!」
「ア゙?喧嘩なんかしてねーよ。」
「喧嘩など美しくない…で、君は…」
おしゃれな死神の人とパチっと目が合う。
「う、美しい…!」
(はい???)
言ってることわけからない、って思っていると、おしゃれな死神が私の目の前までやってきて突然地面に片膝をついてかしこまった。
「なんて美しい女性なんだ…!この僕が僕以外の者に美しいと感じるなんて、素晴らしい!」
「あの…ちょっとよく分かんないんですけど…。」
「おい弓親!何口説いてんだよ!」
「何とはなんだ!僕に名前を聞かせてくれるかい?」
「瀬越雲雀ですけど…。あ、あなたは?」
「雲雀…実に美しい響きだ…。僕は綾瀬川弓親。あのバカは斑目一角だ。」
「俺の紹介の時だけ嫌な顔すんな!つーかバカ言うな!」
私は止めに入ったはずなのに、どうやら火に油を注いでしまったようだ。
再び言い争う2人にどうすればいいのかわからずにアワアワしていると、また人ごみの中から誰かが現れた。
「うっせーな…ギャーギャー騒ぐんじゃねぇ!」
「あ!せーせーだ!」