第7章 excitement
「そうだ、あなた確か…雲雀って言ったわよね?」
「はい。瀬越雲雀と言います。松本さん…ですよね?」
「そんな堅くなくていいから!乱菊でいいわよ!で、雲雀は冬獅郎とどんな関係?」
やっぱりそう来るか!って内心苦笑い。
「そうですね…」
私が口を開くと、私達に背中を向けたままの冬獅郎の頭がピクリと動いた。
(聞き耳立ててる…何て言ったらいいのかな?)
友達?だけど知り合ったのはつい最近で、まだお互いの事はあまり知らないのだ。
「……冬獅郎は私の母と面識があって、私はその繋がり…みたいな感じですかね…?」
松本から視線を離して日番谷の方をチラッと見ると、
安心したような顔で振り返っていた。
「という訳だ。わかったらさっさと仕事しろ。」
「あれー?隊長さっきまで何言われるか心配でビクビクしてたのに、さすが切り替え早いですね!という訳で切り替えの遅い私は仕事しません!」
「あ、おい松本っ!」
日番谷の呼び止めも虚しく、松本は素早く部屋から飛び出しそのままどこかへ行ってしまった。
(乱菊さん切り替え早すぎる…。)
まるでふらっと現れてはふらっと消える、気分屋の猫みたいだと思った。松本に逃げられた日番谷は力なく溜息を吐き出して、椅子にドカッと背中をあずけた。
「冬獅郎お疲れ様。これ書類ね。」
「ああ。ありがとう。」
「乱菊さんと一緒にいる冬獅郎って、なんだか生き生きしてるね。」
「…まぁな。世話のかかる奴だが、嫌な気分になる事は無ぇ。」
優しく微笑んでそう言った日番谷に何故か自分の胸がキュッとなった。耳に響くぐらい鼓動がうるさくて、無意識に胸に手を当てていた。
「あ、えと、私まだ書類届けに行くから、行くね。」
「じゃあな。」
「う、うんっ。」