第7章 excitement
「すみません、冬獅郎いますか?」
私は十番隊の隊長室のドアの前でそわそわしている金髪の女の人に声をかけた。
「隊長なら中にいるわ、よ…って!名前で呼んだ!?」
「あ!私隊長に向かってなんて失礼を…!」
(…思い返してみれば私って結構隊長とかも名前で呼んでる…。)
私の方を振り向いた女性はとても美人で…胸がとても大きくて…
でも彼女の表情は驚きのあまり目を丸くして口をポカンと開けていた。
「あなた…。」
(うう…怒られる!これはまずい!)
とうとうやらかしてしまった…と怖くてビクビクしながら目を伏せていると、「まさかあなたアレでしょ!」と明るい声が飛んできてつい間抜けな声が漏れてしまった。
「…へ?」
「だーかーらー、あなた、彼女なんでしょ~?」
「ええええええ!?」
「な、なにその驚きよう…違うの?」
「違います違います!ただの知り合いで…!」
どう言葉を紡げばいいのやら。
知り合いだから名前呼びですと言ったところで更なる疑いを呼ぶだけだ。
解決策を探すのに必死になる私を、彼女はイイコトを思いついたと言わんばかりの笑みで見つめる。
「ちょっと話合わせてね!」
「はい!?」
彼女はそれだけ言い、私の手を引いて隊長室のドアをバン!と豪快に開けた。