第7章 excitement
檜佐木は周囲からの声に顔を赤くして、私の手を乱暴に引いて外へ出た。
「修兵さん!痛いですっ!」
「あっ!わ、悪ぃ。…つーかお前いきなり現れて抱きつくとかビックリするだろ!」
口では怒りながらも顔は何だか嬉しそうに見えたのでここはスルー。
「久しぶりに修兵さんに会ってすごく懐かしい気分になりました。」
「俺の話は無視かいっ、て、お前手に持ってるの書類か?
どこに所属してるんだ?」
「一番隊です。これを届けに来たんですよ。」
一番隊と聞いた瞬間檜佐木の目が驚きで大きく見開かれる。
「ホントか!?やったじゃねえか!」
あまりにも素直に喜んでくれるので、照れ隠しをする暇もなく。
「そう言ってもらえるとすごく嬉しいです…!」
(何だかすごく恥ずかしいけど。だけどやっぱり一番隊ってすごいんだなぁ。)
「今度俺がみんなを集めて祝ってやるよ。」
「すごく楽しみです!」
こんなふうに褒められると嬉しくて、
モニターを眺め続けた日々もゴミ箱行きじゃなかったと本気で思えた。
初めて自分を自分で認める事ができた。
「隊長には俺から渡しておく。じゃあな。」
「はい!修兵さん大好きです!」
思わずそう叫んでしまい、前を歩いていた檜佐木がズッコケそうになりながらも最後までカッコよく去っていった。
「よし!残るはあと四つ!」
鼻の下が伸びそうな顔をなんとかシャキッ、と正して舞い上がったまま十番隊を目指した。