第7章 excitement
「あれって…!」
九番隊の門をくぐった瞬間に見えた、懐かしい背中。
舞い上がった私はその背中めがけて一直線に駆けた。
「修兵さーん!」
私の声に気が付いた檜佐木が顔を半分こちらに向ける。
頬にある69の刺青が見えて、私は嬉しさのあまり檜佐木に飛びついた。
「わわわっ!?おい!!」
さすが檜佐木は倒れる事なく私を受け止める。
(修兵さんの匂いだぁ!)
「って、誰だぁ!?」
「修兵さん!私ですよ!」
檜佐木から少し離れて、顔が良く見えるように少し上を向く。
「…どっかで見、雲雀…!?」
「覚えててくれたんですね修兵さん久しぶりです元気にしてましたか私はすっかり忘れてましたけど会えて嬉しいです!」
一息でセリフを言い終わり檜佐木の返答を待つ。
ニコニコで興奮している私は全く気が付かなかったが、あまりにもズカズカと来る私に、檜佐木は殆ど言ったことを聞き取れなかったようで。
どれに反応したらいいのかわからずに、ひたすらその三白眼を揺らしていた。
「ど、どこから突っ込めばいいのかわかんねぇ…!」
「本当ですか!?私が成長したってことですか!?」
その時周りにいた死神たちが口々に言葉を発する。
「話全然噛み合ってねぇ…。」
「知り合いか?」
「初めて見る顔だよな?」
「パッと見バカップル。」
「カップルだと!?」
突然現れた私と檜佐木との関係を疑う人が続出。
しかし気分ルンルンで最高潮の私は周りの反応なんか目に入らなかった。