第6章 dream
「一番隊の四席さんが戻ってきたら、うちに来る気ない?」
「え、あの…この前話した通り、私は斬魄刀を持っていませんし、
市丸隊長が思って下さっているほど私は優秀ではありません。」
私の本心を伝えた。だから分かってもらえる。
…と思っていたのに。
「んー…そのさ、市丸隊長って言うのやめへん?」
突然名前の呼び方の話に持っていかれて戸惑う。
「へ?ですから私は…!」
「三番隊に来てくれなくても、折角こうして仲良うなったんやし、
ギンって呼んでや。」
「そんなっ!隊長を呼び捨てになんてできません!」
「じゃあ三番隊に強制で来てもらおうかな。」
「…ギンさん。」
「まぁ、悪くはないな。…にしても、どうしてもうちの隊に来たくないみたいでちょっとショックやな。」
(自分でそうしたくせに…。良くわかんないわね。)
ずっと笑ったまんまの銀狐に振り回されている気がして、
ムクっと頬が膨れた。
「私、まだ届けないといけない資料があるので、失礼しますね。」
吉良とはまた違った変化をして、市丸の前では少しルーズな態度になった。立ってペコリと簡単にお礼をして三番隊から出る。
「何よ私ったら好き放題されて馬鹿みたい!」
イライラを晴らすために叫んだ私。
まさか聴いている人が居るとは思わなくて、後ろから掛けられた声に跳ね上がった。
「自分をあまり悪く言うものではありませんよ。」
「う、卯ノ花隊長!どうもお久しぶりです。」
先程とは打って変わって他人行儀な私にクスッと微笑む卯ノ花。
その隣には背の高い短髪の副官章を付けた女性らしき人物が立っている。
「こちらは四番隊の副隊長を務めて下さっている、」
「虎徹勇音です。よ、よろしくお願いします…。」
「瀬越雲雀です。一番隊の代理で四席やってます。」