第6章 dream
(まずは書類をテーマごとに分別…っと。)
書類一枚一枚にサッと目を通して、何について書かれているかで分けていく作業を続けていたが、数日前の虚の襲撃での被害状況を報告する資料が半分以上を占めていた。
(あれだけ派手にやられてたからね…。あ、これって…?)
目に止まったのは二番隊へ届ける出動願いの物だった。
その次の書類は三番隊へ、そのまた次は四番隊…最終的に全隊へ届ける書類が揃ってしまった。
(最初に他の書類を片付けてから届けに行こう。)
机からペンを取り出して、一枚ずつサインしながら私は襲撃事件について考えていた。
あれだけの大騒ぎが起きた事で護廷十三隊は更に実戦配備をする結果になり、隠密機動は手掛かりを掴むために動いたが、
これと言った情報は得られなかったらしい。
(それにしても何であんな急に…。きっと誰かが裏で…よし!終わった!)
後は届けるだけの書類を手に立ち上がった所で隣から声をかけられた。
「お前、もう終わったのか…!?」
私の隣に座っていた人が驚いて目を丸くしていた。
「一応提出書類は終わりましたよ。」
それを聞いて周りの人がざわめき始める。
「あの量をたった数時間で?」
「思ったよりできる子なのね…!」
「あ、いや…そんな事ないですよ。」
室内は完全に私中心の空気が流れ、一人が拍手し始めた事で全員が手を叩き始め、私の周りは拍手の嵐となった。
パチパチパチ…と心地よい音に包まれながら、
私は笑顔を浮かべて頭を下げたのであった。