第24章 precious
「それで、その、今日マユリさんのお手伝いをしようかなと…思いまして…。」
「残念だが今日はもう何もしないのだヨ。その他て忙しいからネ。」
「そうですか…。」
「あからさまに落ち込むんじゃないヨ。それに長い間研究から離れていたお前には新しい知識を身につけてもらわなくてはならないんだヨ。」
言われてみれば私は新しい技術も知識も知らない。
これは勉強する必要がありそうだ…と考えていると、阿近が立ち上がって私の手を取った。
「俺が案内してやるよ。まずは器具から見ていった方がいいだろ。」
「は、はい。」
私も阿近に引っ張られるままに立ち上がり、阿近に付いて行く。
「あまり弄るなヨ。」
「大丈夫です無闇に触りませんよ〜!」
「…全く…。」
阿近と手を繋いで離れていく私に心配そうな溜息をついて、涅は他の用事とやらを片付けに行った。
「へぇ〜こんな機械珍しいですね。何に使うんですか?」
白い円筒型の上に蓋がついていて、円状に並んだ試験管が何本もはまっている機械が何か尋ねる。
「これは試験管の中の液体を分離させるやつだな。」
「分離!すごい…!あれは?」
その後も子供のように質問を繰り返す。
しかし阿近は嫌な顔をするどころか、楽しそうに受け答えしていた。