第23章 rise
「隊長ー!」
私が隊首室の扉を開けると、真っ先に純可が私に飛びついてきた。
思いっきり強く抱き締められ、私の胸元に顔を埋めて嗚咽を漏らす。
「うっ、隊長、会いたかったです…!」
「すぐに皆に会いに来るべきだったんだけど、ごめんね。色々と呼ばれちゃって。」
純可を慰めるために頭を撫で、視線を前に戻すと、口を開けて呆ける慶と大破に私も呆けた。
「何ですかその顔は…。」
「い、いえ…隊長がそんな喋り方するなんてどうしたのかなと思っただけで…。」
「はぁ…?私は元々こんな喋り方だけど?」
「知ってたけど驚きっていうか…敬語ばっかりやったし…。」
すると今まで泣いていた純可が勢いよく慶達に振り返り、元の調子で話し始めた。
「全く…そういうことは遠回しに言いなさいよ。」
「そうだぜお前ら。こういう時はあの言葉だろ。」
(あの言葉…?)
楓我の一言でで四人が顔を見合わせて、そして私の方を一斉に見る。
「隊長、おかえりなさーい!」
四人の元気な声が部屋中に響き渡り、私は一瞬驚いたがすぐに笑いが込み上げてきた。
「ふふっ…ただいま。」