• テキストサイズ

奈落の底から【BLEACH】

第23章 rise


うさぎのストラップを手に持ったまま四十六室を出ようとした時、出口の近くに誰かが立って居るのが見えた。

10メートル以上離れた場所からでも誰なのかは簡単に分かった。

「夔竜雲雀さん…。」

島谷鶴次だった。
どうやら出掛けて帰ってきた時に偶然会ったらしい。
島谷もこちらに歩いてきて、私達は久々に顔を合わせた。

「お元気そうですね。」

島谷は私の顔色を伺った後、ニコッと笑った。

「はい。あなたには何度も助けられました。ありがとう。」

「そんなぁ〜、僕は大したことしてませんよ。でも、ようやくお互い上から睨まれなくなって良かったです。」

「そうですね…あなたのお父さんにもありがとうと伝えておいてください。私はもう四十六室には来ないと思うので。」

「わかりました。気をつけて帰ってくださいね。」

「ありがとう。」

これで最後。もう四十六室に来ることは無い。
長い間続いた確執も、もう終わったんだ。

終わった…その言葉が砂のように私の心の隙間を埋めていった…。

(私の部屋に電気がついてる…しかも人影が四人。あの子達いつまで起きてるつもりなの。)

私は見上げた零番隊隊舎に呆れて息を吐き出した。
もう日付が変わる時間だというのに、勝手に隊首室に集まって私を待っているのが窓から丸見えだった。
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp