第23章 rise
こうして言葉で今までの事件を振り返ると、とても長く感じる。
一体彩李は私に何を求めていたのか。
「雲雀…辛かったか。」
「いいえ。私だけが辛かった訳ではないので。」
「…そうか。お主が零番隊の隊長を辞めたいと言うのなら、意見を尊重してやろうと思っていたが、その心配は必要なかった様じゃの。」
「…正直迷ってはいました。ですが、自分が思ってたより、零番隊が好きだったみたいです。」
私はこれまでの日々を思い出して微笑んだ。
最初の仲間、今の仲間、皆私にとって大事な人達だ。
そんな皆が私を許してくれるなら零番隊で居続けようと…。
「皆は雲雀に憧れて零番隊になったのじゃ。その隊長は雲雀しかおらん。」
「私もあの子達に感化されちゃいました。若い子の力は計り知れないですね…。」
「雲雀も十分若いじゃろ…。」
と久々に総隊長と他愛もない話をしている内に日が暮れ始め、私は急いで四十六室に向かった。
「…そこまで頭を下げなくても…。」
四十六室に到着し、法廷に顔を出すなり六人の裁判官が前屈をする勢いで頭を下げる。驚いた私はとにかく顔を上げるように促した。