第20章 memorial
両手の刃は大きさも長さも変幻自在。
彩李は私と一定の距離を置いて、後ろに下がりながら攻撃を仕掛ける。
数十メートルの距離を詰めようと瞬歩で追いかけるが、どこから現れるかわからない彩李の攻撃に阻まれてできなかった。
近くに現れた鬼道や太刀筋を艶斬で斬り、彩李の弱点を探しながら迫る。
少しでも気を引き締めなければやられるのは私の方だ。
しかし、私は正直彩李を斬れるか不安だった。
こうして追いかけている間も、彩李は白い扇子を片手に蝶のように舞い、私はどこかでとても美しいと感じていた。
やっぱり私は彩李が好きで信じている。
幼かった頃のような眩しい彩李をもう一度見たい。
一体何がこんな状況にさせたのだろうか…。
「大口叩いた割には思ったように手出しできてないじゃない?所詮あんたなんてその程度よ!」
「私は彩李が分からない…!どうしてあなたがこんなことしなきゃならないの!?」
「いい加減にしなさい!他人のことなんか理解出来なくて当たり前よ!いつまであたしを幼馴染みだと思ってんのよ!あんたの家族を殺したのに!」
「彩李は…私の幼馴染みだよ!昔も今も!」
「っ…!」