第20章 memorial
私の艶斬は夔竜の斬魄刀だったように、彩李の斬魄刀も彰束の力によって生み出された物だとしたら…。
「彰束は時を操る力を持つ王…。あなたの斬魄刀は、定めた標的を過去から現在に飛ばす能力ね?」
彩李の顔が急に曇る。
「…ええそうよ。分かったところで何ができるって?」
「夔竜は世界を変える力を持ってるの。何でもできるわ。」
「今更そんなこと言われなくても知ってるわよ。…変えれるもんなら変えてみれば?そんなもの、あたしのこの力で過去に戻っていくらでも無駄にしてあげるわ。」
「…変わらないわよ…どれだけ残酷な未来でも、人々が幸せを願う気持ちは、私達の絆は変わらないわ…!」
「結構なことね。なら悪足掻きもできないまま終わらせてあげる。」
彩李が扇子を構える。
「いいえ、ここで負けるのはあなたよ!」
私も構えをとった瞬間、私と彩李の一騎討ちが始まった。