第20章 memorial
思った通り、全ての攻撃が私に向かって来る訳ではなかった。
私が反膜の中に閉じ込められていた間に、ファントム達と戦っていた死神によるもの。だから動きが一つにまとまっていなかった。
全て躱して、私は艶斬を空に向かって一直線に投げた。
暫くすれば落ちてくるはずが、艶斬はそのまま空に吸い込まれる。
「…卍解!」
空に吸い込まれるように艶斬が消えた所から、一筋の巨大な稲妻が空中に留まっていた雲雀に落ちた。
雲一つ無かった空から落ちた一本の青い巨大な稲妻が、徐々に雲雀がいた部分に集結し、玉となって弾けた。
青い玉の中から現れた雲雀の背には、並んだ二つの青いリングとその上に大きなリングが重なるようにあり、前から見ると雷神に似た風貌になっている。
そして両手首にも青い腕輪と、それに磁力で引っ付いた避雷針のような金色の尖った針と、青い光でできた刃が手の甲の上に付いている。
その刃も浮いていて、丸みを帯びた形で先が鋭く尖った薄いプレートみたいな見た目だった。
圧倒的な威圧感を放つ雲雀が、静かに彩李と同じ目線になるまで降下する。
「蒼皇艶斬…これで条件は同じよ。」
「ようやく出したわね…。」
神々しい光を放つ雲雀に死神達が目を細める。