第19章 bright
卍解した瞬間、彩李の薙刀は真っ白に輝く扇子へと姿を変えた。その扇子を一振りした時、私の背後から破道が飛んできた。
「なっ…!」
私はギリギリで躱したが、もう一振りしていた事には気付かず左からまた破道が飛んできて直撃してしまった。
「あああっ!」
あまりの威力に鎧はヒビが入り、バランスを崩した私は地面に身体を打ち付けた。
(今のは白雷と赤火砲!?あの斬魄刀は鬼道を出す能力…?のはずがない…じゃあどうして?)
「ははっ、いい顔してるじゃない?頭の中お花畑のあんたにお似合いだわ。次は何にしようかしら…?」
彩李が不敵な笑みを浮かべて扇子を待ち直す。
しかし扇ぐことなく、握り拳を右手で作って私に突っ込んできた。
後ろに避けた私をしつこく攻める彩李に何か違和感を感じた。何度も身体を捻って躱し続け、上に飛び上がると彩李がすかさず扇子で空気を扇いだ。
「…!」
今度は雷吼炮だった。
とてつもないスピードで前から飛んできたために、私はどうすることもできないまま雷吼炮をくらってしまった。
「きゃあああああーーっ!」
ドォオオオン!という凄まじい爆発音と共に私の鎧は完全に砕け散り、身体の大部分に火傷を負ってまた地面へと落ちた。
痛い…痛くて身体が動かない。
うつ伏せで倒れて動けないが、意識はハッキリとしていた。
(見たことがある…あの破道の大きさ、威力、スピード…間違いなく私のだ…。)