第19章 bright
「双蓮蒼火墜!」
「くっ…!」
まさに実戦経験の違いだった。
あるいは、才能か。
多少雲雀は傷を負っているものの、致命的な負傷はしていない。一方彩李は雲雀の破道と白打で着実に追い詰められていた。
「もう諦めなさい!あなたにはまだ未来があるのよ!こんな所で無駄にしちゃだめよ!」
「…うるさいうるさい!黙れ!生まれた時から恵まれてるお前にあたしの苦しみは一生分からないわ!」
「彩李…。違うよ!私が恵まれたのは仲間よ!私に道を示してくれる大事な人達が居たから、私はどんなドン底だって登ってこれた…あなたに足りないものは信じる心よ!」
「信じて…信じて今まで裏切られた…あたしは何もかも劣った奴だって、ずっと周りに思い知らされてきた…!」
「どうして彩李が劣等感を感じなきゃいけないの?あなたは誰よりも優れてるじゃない!」
ピタリと、彩李の動きが止まった。
「彩李…?あっ!」
突然跳ね上がった彩李の霊圧に私は吹き飛ばされた。
数メートル飛んだ所で踏ん張り、前を見ると斬魄刀を構えておぞましい霊圧を纏わせた彩李が何かを呟いた。
「…卍解…歴殲克(レキセンカ)!」
「卍解…!?」