第19章 bright
「刀が無いなら相手の弱点を読んで突くまで…即ち防御さえあればいい。」
「弱点だなんて嘗めたこと言ってくれるじゃない。すぐにその減らず口を叩ききってやるわ。」
彩李と睨み合い、最初の一手を慎重に図る。
私は両腕に霊圧を纏わせて、刀とも太刀打ちできる強靭さをつけた。
右に一歩、二歩…三歩と踏み出し、二人同時に距離を詰めて攻撃を仕掛けた。
「あんた隊長の斬魄刀なら、主を助けようって選択肢は無いんですか!?」
慶は戦う二人を静かに見届ける艶斬に叫んだ。
ゆっくりと慶に視線を移し、放った艶斬の言葉に慶は絶望した。
『無いね。』
「…なん、で…主が斬魄刀を持たずに戦ってるのをただ黙って見ているなんて、本当に隊長の斬魄刀なんですか!」
『そんなに大きな声出しちゃダメだよ。怪我をしてる人が周りに沢山いるだろう?』
艶斬の飄々とした態度に慶の忍耐袋は限界まで来ていた。
「慶、落ち着いて…。隊長の斬魄刀さんを責めても仕方ないよ…。」
「純可さん…っ、ですが…!」
『雲雀は僕に絶対服従を誓わせた。雲雀が僕に結界を張って君達を守るよう言ったのなら、僕は斬魄刀として主の命令を遂行しなければならない。』