第19章 bright
中心部分の持ち手が白い輪っかになっており、そのうちの二点から対照的に伸びた赤い棒の先には大きく反り返った刀が。
絶大な力を持った両刃の薙刀が彩李の右手に付いていた。
「それで?あんたはどうやって戦おうって訳?」
私は目を閉じ、黄金色に輝く刺青の描かれた両手を祈るような形で合わせた。すると空まで届く光の柱に包み込まれ、周りはあまりの眩しさに目を細めた。
吹き荒れる暴風の中、聞こえたのは何かを唱える声だけ。
「夔竜伝承戦闘鎧…!」
強い光が消え、死神達が目にしたのは、どんな攻撃にも耐えられそうな紅い鎧を纏った姿の雲雀だった。
それは肩、肘、膝、腕や脚の、四肢を重点的に覆った物で、戦国武将が身に着けるそれによく似ていた。
しかし頭部には無く、白い布で長い黒髪が一つに束ねられている。
黒と紅の斬新なコントラストが周りの目を惹いた。
「へぇ…。でも肝心の武器が無いんじゃ意味無いわね。」