第19章 bright
「愚かな奴らしか居ないって事をわざわざ教えてあげたのに、まだ周りの人を信じるわけ?」
「あなたこそこの世界に学ぶべきよ。私達は沢山の人から支えられて生きてる。どれだけ裏切られ、嵌められるような世の中であっても、信じるものはいつも同じよ。」
「違うわ。現実を見なさいよ…人に苦しみを与えるのは人しかいない。皆自分の苦しみを無くしたい為に周りを不幸にするのよ。こんな世界から学ぶものなんて憎しみしかない…だったらあたしが壊してやるって決めたのよ。」
彩李の目は本気だった。本気でこの世を憎んでいる…。
「それはあなたが世界を見つめようとしてないからよ!逃げてるだけ!そんな事をしても誰も幸せになんてならないわ!」
「だったらあたしが正義になればいい!誰もがあたしを崇め、平伏す正義に…!」
「残念だけど私はあなたの正義を認められない。あなたがあなたの正義に従うのなら、私は私の正義に従ってあなたを斬る!」
私は霊圧を腕に集中させた。
彩李は自身の腰に刺した斬魄刀に手を伸ばし、ゆっくりと鞘から引き抜いた。
真っ白な刀身の切っ先が私に向けられる。
「歪め…礫仙華(レキセンカ)」
彩李の霊圧が跳ね上がり、尸魂界中の空気を揺らし、ドーンという大きな音と共に地面に大きなヒビ割れができた。