第19章 bright
「隊長の、斬魄刀…。」
慶は自分以外の斬魄刀の具現化した姿を初めて見た。
周りにいた護廷の者達も、艶斬の方を見て驚きの声を上げた。
『…。』
艶斬は黙って結界の外を見る。
つられて皆も外を見ると、全滅したファントムの上に雲雀が立っているのが見えた。
「雲雀が、倒したんだ…!」
日番谷が声を上げたと同時に死神達がヤッター!と次々に嬉しそうな叫び声を上げる。
しかし、雲雀はある一点を見つめて動こうとしない。
不審に思った人達が聞いたのは、艶斬の呟き。
『とうとうあいつが来たね…。』
「ファントムを全部倒すなんてやるじゃない。褒めてあげるわ。」
双極にいる全ての死神の目線の先には、全ての元凶の姿があった。
「彩李…あなたがしてきたことを私は許せない。ここで、決着をつける…!」
「あーあー。そんなに意気込まないでよ。あんたが負けるのを後ろの馬鹿達は見たくないと思うけど?あ、そんな事気にしなくてもいっか。なんせあんたを見捨てた奴らだからねぇ?」
結界の中は静まり返り、隊長達は顔を伏せた。
「ほんと、なーんにも知らないくせに自分が絶対正しいんだと勘違いしてる低脳ばかりで呆れちゃうわね。」
「彩李!…それ以上私の仲間を悪く言うのはやめて。」
「あんたまだそいつらを仲間だとか言ってんの?」