第18章 mirror
もうだめだ。
誰もが最期を覚悟したその時、
空高くで何かが光って見えた。
…と同時に地上に響き渡った希望の声。
「燐光煌めけ!艶斬!! 」
青い光を帯びた大剣が勢い良く宙を裂き、地面へと振り降ろされる。凄まじい衝撃に風が吹き荒れ砂が舞い上がり、衝撃波がファントム達を襲った。
「隊長…!」
砂埃が収まり、倒れたファントムの中心に立っていたのは紛れもなく、皆が待ちわびていた雲雀だ。
バチバチ、と青く細い無数の光を散らす身の丈程の大剣を軽々と肩に担いでしゃがむと、空いている手を地面に着けて一人一人を結界で包み込んだ。
「こんな大量の結界を…一体どれ程の霊力が……」
驚愕の言葉があちらこちらから上がる中、私はまだ現れて来るファントムを斬っていく。
(私の大切な人達をこんなにしといて、絶対に許さない!)
でも今はやらなければならないことがある。
私が一人一人を包んでいるのは回道を基本とした治癒の結界。
これでは強度が足りないのだ。
あれをやるしかない。