第18章 mirror
「はぁ…はぁ…」
数が少なくなるにつれて強くなったファントムを相手にし、純可は上半身に致命的なダメージを受け、慶に抱きかかえられるようにして地面にへばり込んだ。
「純可さんしっかりして下さい!」
慶の呼びかけにハッキリと「大丈夫」、と答えるものの、顔は真っ青を通り越して真っ白だった。
周りを見渡すと沢山の死体と負傷者と…。
最早地獄とも言える景色だった。
「嘘やろっ!?」
無数の槍を飛ばして戦う大破も、槍を全て弾き返され全身に突き刺さって地に伏してしまった。
「ぐあああぁあ!!」
楓我は拳をくらいそうになり、躱してその腕を切り落としたが、切断された手が爆発して巻き込まれてしまい、全身に火傷を負って倒れ伏した。
「そんな…こんなの…酷すぎですよ…っ!」
吹き荒れる風の中、涙を浮かべた慶は言葉を詰まらせた。
次々と倒れていく人を見ることに耐えられず、腕の中で身動き一つできない純可に縋るように抱きしめる力を強くした。
総隊長でも防御一方のこの戦いをどう勝てというのか。
護廷十三隊を上回る実力を持った零番隊も最早壊滅状態。