第18章 mirror
黒い影は大勢の死神だった。
「あいつら…死にに来たんか!?」
大破は結界を飛び出し、ファントム達の間をすり抜けて死神達の先頭部分に降り立つ。
「お前ら何しに来たんや!遊びとちゃうねんぞ!」
鬼の形相で怒鳴る大破の前に現れたのは総隊長だった。
「護廷十三隊は瀞霊廷を守るも役目。皆自分の意志で戦いに来たのじゃ。」
「ああもう…好きにせぇっ!」
大破には誰かの覚悟を邪魔することができず、もうどうにでもなってしまえ!と捨て台詞だけを残してファントムの大群に突っ込んで行った。
それを合図に護廷十三隊全ての死神達も動き出した。
数ではファントムを圧倒する程いたが、討伐に至るまでは相当壁が厚かった…。
「あれは…!」
私は反膜の中から見えた双極の光景に言葉を失った。
空中で何人もの死神がファントムによって切られ、地面へと落ちてゆく…席官達は斬魄刀を解放して何体ものファントムを倒すが、身体の傷が増えてゆく…。あちこちで鬼道が爆発し、衝撃波で周囲の木々はなぎ倒されていた。
(こんなことしてる場合じゃない!!!早く出るのよっ!!!)
といっても反膜を叩き続けた手は指から出血し、骨にもヒビが入って動かすのも困難になってしまった。
「お願い…私が行かなきゃ、皆が…っ、私が護らなくちゃいけないの…!力が必要なのよ!」
慟哭のような叫びを上げた瞬間だった。
目が眩みそうな程の光が、両手の刺青から放たれたのだった。