第18章 mirror
残された四人は隊長の後ろ姿を見送り、斬魄刀を構えて静かに笑った。
「なーんかすっげー不気味な奴らだな。」
周囲のファントム達を見回して、楓我が溜息混じりに喋った。
「人の形をしているのに、顔に口しか付いていないというのがホラーですね。」
慶の落ち着いたトーンでの喋りに皆の心が落ち着きを取り戻す。
「さぁてこいつらからは霊圧を感じ取られへんから、目を瞑ったまんまやと戦われへんな。」
「大破は目を開けたままでも勝てないでしょ。」
純可の突っ込みに三人が吹き出す。
ひとしきり笑った所で戦いの前の茶番が終わり、四人とも斬魄刀を鞘から抜いた。
同時にファントム達が四人めがけて一斉に飛びかかった。
「盛れ 鎖隆鬼 (サリュウキ)!」
「漣に映れ 神太刀 (カミノタチ)!」
「目に物見せよ 美守螺 (ミカミラ)!」
「跪け 聡夏 (ソウカ)!」
慶、純可、楓我、大破も解号を唱え、すぐに激しい戦いが始まった。
初めは零番隊が圧倒的な力でファントムをバタンバタンと切り倒していたのだが、減るどころか増える一方のファントム達に体力を消耗させられてしまい、徐々に攻撃を食らうようになってしまった。
しかしあまりにもおかしいと、四人はある疑いを持ち始めた。