第17章 power
「あっ、隊長どないしたんですか!?」
「慶、純可、楓我、大破!私と討伐に向かいなさい!」
まず零番隊隊舎に戻り、まだ隠密機動に囲まれたままの四人に命令を下す。
「待て瀬越!なぜ虚が現れた!?まさかお前が…!」
突然の虚出現に、私を疑う砕蜂に事情を説明している暇もなく。
「説明している時間はありません!行きます!」
「はい!」
「了解!」
「おっしゃ!」
「行くでー!」
「あ、おいっ…!チッ、お前達も行くぞ。」
勢いよく飛び立ってしまった零番隊の後を追うように、砕蜂率いる二番隊も虚の討伐に渋々向かうこととなった。
出現ポイントは一番隊付近で、殆どが最上級大虚と中級大虚。
しかし特に建物を壊すなどの様子は無かった。
「皆さん、全てはこの虚達を倒した後に話します。いいですか、必ず生きて帰るように。」
「もちろんやで!」
強く頷いた四人の無事を祈り、私は三体の最上級大虚と対峙した。
(必ず勝つ…!)
「あんたがあの人の言ってた奴か。思ったより弱そうだな。」
「霊圧これっぽっちも感じないんだけど〜?」
「お前ら、人は見かけによらないとよく言うらしいぞ。」
「…どういうことですか?あなた達はなぜ私の事を知っているのです?」