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奈落の底から【BLEACH】

第4章 past


「うわぁ…ここが瀞霊廷か~。何だか良い景色…」

トボトボ宛もない旅路をひたすら歩いて辿り着いた瀞霊廷は凄く情を感じる所だった。

私と同じくらいの男の子達がベイゴマで遊んでたり、店を構えるおじいちゃんやおばあちゃんがお客さんとお話してたりと、王族の間では決して見ない風景に何処か懐かしさを覚えた。

皆が生き生きと、のびのびと暮らしているんだなと思えばさっき別れたばかりの両親が恋しくなってくる。

「私も毎日こんな風に過ごしてたんだ…。」

涵養に私を育ててくれた事が分かって、
両親に初めて感謝した。

(立派になったら、絶対会いに行こう。)

そのために、霊術院で頑張らなくては。
新たな決心を固めると、未知の道を一歩踏み出せた気がした。

いつしか私は目的の霊術院を目の前にして立っていた。
時期的に入学者を募る期間だったため、案内として私をここに連れてきてくれた人がいた。

「えーと、雲雀ちゃん、だったけ?苗字は何て言うの?」

死覇装に身を包んだ若い男性が微笑みながら私の前で膝をつく。

「苗字は…瀬越です。瀬越雲雀です。」

「わかった。ちょっと待っててね。」

私は言われた通り、母の旧姓を名乗った。
男の人は小走りで建物の中に入っていき、
しばらく時間が経った後、もう一人新たな人物を連れて出てきた。

「君が新入生だね。これから色々と話をするから付いてきて。」

少し年をとった穏やかそうなおじさんに促されて前へ進みつつ、顔だけ後ろに向けて案内してくれたお兄さんに向かって叫んだ。

「ありがとー!」

「どういたしましてー。」

笑顔でお互い手を振りながらとうとう私は建物の中へ入った。
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