• テキストサイズ

奈落の底から【BLEACH】

第16章 average


「おい、上官を呼ぶ時は自分の名前を言ってからだと言っただろ。」

今まで黙って項垂れていた日番谷は、どうやら気分が優れないようで。イライラした声で扉越しの人物に話しかけた。

「あ、ごめんなさい。第六席の彰束彩李です!隊長にお話があって来ました、入ってもいいですか?」

日番谷はそれにすぐ答えることはなく、私の目を見てきた。
私と彩李の関係を気にしているらしい。

「…私は気にしませんが。」

「分かった。入れ。」

「はーい!」

元気よく返事して扉を開けた彩李は目的の日番谷を見ることなく、最初から私を見ていた。偶然ではなく、必然的に目が合った…私はなんとなくそう感じた。

「雲雀!久しぶりだね!」

「はい。」

「もぉー!はいじゃなくて、うんでしょ!あたし達の間に敬語は不必要なのよ!」

「そうね。」

チラッと隣の松本を盗み見すると、若干肩に力が入っていて周りより空気が冷めている。よっぽど彩李のことが苦手なのか。

「あ、本題なんですけど…あたしですね、今度の現世任務、行きたいと思ってるんですけど…いいですか?」

日番谷の眉がピクリと動く。

「…席官だからまだ安心できるが、実戦経験はあるのか?」

「ないです!だから今回勉強を兼ねて行きたいんです!」

困り果てたように息を吐き出して、少しの間日番谷は考え込んだ。

「…良いだろう。だがチームで行ってもらう。」
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp