• テキストサイズ

奈落の底から【BLEACH】

第16章 average


(…騒がしい。)

書類を届けるために私は十番隊隊舎の前にいるのだが、建物内が非常に騒がしかった。何事かと集中すると、中庭に複数の死神の霊圧を感じた。

中庭で稽古でもしているのだろうか。
私は特に何も思わずに十番隊の廊下を歩いていた。
中庭に面した広縁を通る途中、ふと人が集まっている所に目を向けた。何やら誰かを囲むようにして騒いでいる。

周りにいる人が多すぎて、中心にいるのが誰なのかは見えない。
霊圧もゴチャゴチャしすぎてわからず、私はそのまま廊下を歩いて日番谷のいる隊首室の扉を叩いた。

「日番谷隊長、書類をお持ちしました。」

「入ってくれ。」

扉を開けて中に入ると、椅子に座った日番谷と部屋の隅に置かれたソファの上で、お菓子を頬張った状態の松本の視線を受ける。
松本は私の姿を見て勢いよく立ち上がり、固まって動かなくなった。

「お久しぶりです。」

私は松本に一礼して日番谷の元に歩み寄り、書類を差し出した。

「ありがとう。…雲雀、彰束彩李って、知ってるか?」

突然日番谷の口から私の幼馴染み…王族の名前が出てきたことに驚いた。

「…はい。知っていますが。」

「そいつがな、十番隊に昨日から配属になった。」
/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp