第15章 explore
楓我は小さく頷き、ボソボソと伏せ目がちに喋り始めた。
「俺、実はずっと死神になる事を反対されてて、ほぼ勘当された状態で護廷に入ったんです。それがこの前、突然連絡が来て…もし俺が護廷でちゃんと死神の仕事をこなしてなかったら、無理にでも辞めさせるって言われて…。」
「自分が零番隊でちゃんとしてる所を見せたい。そういうこと?」
「でも様子を見せただけじゃきっと、というか絶対理解してくれないはずなんです!なので、どう説得したらいいのか…隊長に聞きたくて…。」
必死な形相の楓我を見る限り、かなり本気で悩んでいる。
「…私は一度も反対された事がないので、良いアドバイスは言えませんが…最初から理解してもらうことを前提にするのでは、ボロが出て逆効果になるだけです。」
楓我は私の言葉に耳を傾け、静かに聞き入る。
「例え親でも中身はあなたではない。楓我の考えていることを勝手に読み取れる訳がない。実際楓我も親の考えが分からないのでしょう?」
「そうですけど…何度も話し合いはしたんです。言葉に出して伝えてるのに…。俺の夢は、死神になる事なんだって。それにお母さんもお父さんも子供の時期があって、夢を追ってた時期があったはずなのに、どうして自分の子供には夢を追いかけるなって言うのか不思議なんです…!」
私は楓我の言葉で、唯一私が経験した大人の世界というものを思い出した。