第13章 smile
「ごめんね雲雀ちゃん。悪い奴らじゃないんだ…。」
「承知してます。浮竹隊長、どうしてさっきの人達は私のことを知っていたのですか。」
「昨日、雲雀ちゃん虚討伐の任務があっただろ。その後、噂繋がりで雲雀ちゃんを知ってる人が、知らない人に雲雀ちゃんについての情報を広めたんだ。」
(そういえばさっきもそんな場面があったな。)
私は阿散井と別れた後のできごとを思い出した。
「そうですか。…治癒はこれで終わりです。」
浮竹の背中に翳していた手を退けて立ち上がろうとすると、浮竹に手首を捕まれる。
「雲雀ちゃんと話がしたい。」
きっと世の女性達が一瞬で落ちるであろう目線を私に向ける。
お前に拒否権は無い…目がそう語っていた。
「了解しました。どんなお話ですか。」
(どうせ事件に関してだろう…。)
私と喋る話題のパターンなんてもうお決まりのあれ以外無い。
黙秘を貫こう。心の中でそうひっそり決めた時、浮竹が全く別の話を持ち出してきて、私は最初らへんの話に付いていけなかった。
「新しい隊員はどう?まだ皆若いから子供っぽいみたいだが、頼りになりそうかな?」
「…はい…。」
「あれ?微妙って感じだな。」
「まだ任務を任せていないので。」
「それもそうだな。」