第13章 smile
(任務か…。)
雲雀がこうして他の隊に呼ばれて零番隊を留守にしている間、新隊員達はまだ雲雀の部屋で話を続けていた。
「ねえ、あの人本当に瀬越雲雀さんなの?」
純可が重い口調で皆に問う。
「容姿は…多少変わってますが間違いないはずです。」
「やっとあの人の側に居れると思ったんやけどなぁ〜。あんなに愛想無いなんて、噂ほんまなんちゃうん。」
「おいお前隊長がそんなこと本当にすると思ってんのか?」
「そりゃあ…思いたくないけど…。」
楓我に睨まれ大破は口篭ってしまった。
それぞれの思いがあるのは確かで、雲雀を信じたい気持ちも大きい。
「さっき、どうして涙を流したのでしょうか。それが気がかりです。」
「だね…。あ、皆は噂のこと、どういう風に聞いてるの?」
「どうって、王族と隊員を殺したってだけだ。それ以外は知らねえよな。」
楓我の言葉に皆が頷く。
「隊長について悪い噂があっても、あたし達は憧れの零番隊に入れたんだし、支えよう!」
「そうやな。隊員の俺達が疑ってたらあかんもんな。」
零番隊の新隊員達の決意の裏には、ある記憶が大きく関わっていた。