第13章 smile
思った通り、霊圧は新メンバーのものだった。
四人全員恐る恐る私の部屋に入ってきて、頭を下げる。
「こんにちは。」
「ぉぃ!初めましてやろ…!」
「ぁっ…初めまして!」
「声でけぇよ。」
「楓我もね。」
何やら突然始まった四人の仲間達による寸劇に、懐かしさがこみ上げる。メンバーも女性が一人、男性が三人と、しかもそれぞれの雰囲気が旧メンバーに似ている。
唖然とする私の前で自己紹介が始まった。
「初めまして。零番隊の副隊長をさせて頂くことになりました、久留原慶です。」
慶は嘉宗に似ていて…。
「突然押しかけてごめんなさい!総隊長さんに行けって言われたので来ました三席の佐々倉純可です!」
純可は愛に似ていて…。
「秋澤楓我です。」
楓我は丞に似ていて…。
「白麻大破です。」
大破は灯路に似ている。
皆容姿は違うのに、何故か昔の仲間の面影が重なった。
その瞬間…私の左頬に一筋の涙が流れた。
皆、私の涙に焦って口をパクパクさせる。
その様子にやっと自分が泣いていたことに気付き、ハッとなって涙を拭いた。