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奈落の底から【BLEACH】

第12章 star


「我々にとって従うべき相手は死神ではない。その上の者達だ。
権力者に従えば相応の地位は確立できる。」

饒舌に語る裁判官が放った言葉は最早欲望に塗れたものだった。

「…その権力者に命令されているということですか。誰なんですか。」

「お前を裁判官にしてやろう。そうすれば知りたい事は何でも耳に入る。」

突然の提案に島谷は耳を疑った。
唖然としていると裁判官が大きな声で言った。

「島谷鶴次をこれにて裁判官とする!」

その声に周りの人達が一斉に卑しい笑みを浮かべて「良かったな」と口を開いた。祝福しているのかそれとも企みがあるのか。
エスカレートしていく騒ぎに島谷は目を見開いた。

「な、どういうつもりですか…!なぜ僕が…!?」

「おめでとう。これで島谷君も我々の一員だ…。」

嵌められた。島谷は瞬間、全てを悟った。
裁判官になれば、自分も今回の首謀者の下僕となる。
そうなれば意見することもできない。力に…従わなければならない。
ヒューヒューと野次馬が煽り立てる中、島谷は悔しさに奥歯を噛んで目の前の人間を睨みつけるばかりだった。

そんなことはつゆ知らず、私は四十六室へ戻ってきた。

気が遠くなるような長い投獄期間。それでも覚悟は決まった。
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