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奈落の底から【BLEACH】

第12章 star


「そうですか。生憎私も機嫌が悪いので、流石にこれ以上尋問するのはこたえますし。さようなら。」

「待て。話しておきたいことがある…。」

踵を返して歩き出した私を総隊長が呼び止めた。
振り向くと、悲しみを湛えた眉を顰めて下を向く総隊長の姿があった。

「…今日、事件があった事が四十六室によって瀞霊廷全てに報じられた。…皆戸惑っておった。儂も各隊の隊長も、お主を捕らえろと命令が下った時は困惑した。」

「そうですか。ではご自分が大切ならもう二度と私に干渉するなと伝えておいてください。」

「…。」

とうとう口を開かなくなった総隊長を背に、私は結局何も得られなかったと残念に思いながら隊舎を出た。
そして、四十六室への道を歩き始めた…。

私が零番隊隊舎にいた間、ある騒動が四十六室で起きていた。

「裁判のやり直しをお願いします!」

あの青年が再審を求めて裁判官に証拠の矛盾点などを纏めた書類を差し出す。裁判官はその様子を冷え切った目で見つめると、面白おかしそうに笑い、書類を鷲掴みにすると横のゴミ箱に投げ入れた。

「ハハハッ。全く。島谷君も諦めが悪いね。」

「…あの判決は間違ってます!良心に基づいて裁判を行うべき人が、どうして揃いも揃って事実を隠すのですか!」

島谷は悔しさに年配の裁判官の顔を睨みつけた。

「…我々は権力を持っている。どういう事か解るか?権力は権力の上に成り立ち、それは権力によって守られる。」
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