第12章 star
(灯路は…死んだ。私以外の仲間は、家族は皆死んだ。)
例え濡れ衣でも受け入れようとした罰。
もう二度と顔を合わせることは無くなった零番隊の仲間。
自分の半身であった人達の死を受け入れたはずだった。
なのに、死んだと言えなかった。
殺されるのがあっという間すぎたからかも知れない。
まだどこかで生きていると思っているからかもしれない。
(何で私は今更逃げて…。)
私が弱いから。
私が弱いから全て否定してしまう。
心の中では強がってばかりでも口に出せば弱さになる。
顔を伏せたまま自分の部屋に入り、静かにベッドに座った。
肩にのしかかる気だるさが気持ち悪くてそのまま寝転がる。
「この腕輪…クソだな。」
私の霊圧は腕輪によって完全に封じられている。
さっき三人の霊圧を感じなかったのもこいつのせいだろう。
しかし肝心の束縛が感じられない。
涅が作ったのなら、もっと強烈にもがき苦しむ位の辛さを与えられると思っていたのに。
そう思いながら目を閉じ、意識が薄れようとしていた時、何者かに強く心臓を鷲掴みされたような痛みが胸に走った。
「…っ!?」
一瞬呼吸が止まり、肩で息をしながら今は痛くない胸を押さえて何もないか確認する。
(今何が…?)