第11章 crown
しかし六番隊によく呼ばれるようになってからというもの、私は朽木がよく笑う人だと知った。
「へぇ…ルキアさんが恋次さんと…それは興味深いですね。」
「だがここは兄としてどうあるべきか…。」
「そんな時は様子見ですよ!観察しておくんです。」
「観察か…不審者に思われなければ良いのだが。」
「ちょっ、どんな観察の仕方するつもりなんですか…!?」
「とにかく張り付いて…そして」
「思われるどころか完全に不審者ですよそれ!」
朽木ルキアと阿散井恋次がなんだか良い雰囲気なのだ…と話をしていると朽木が穏やかな笑顔を私に見せる。
(こんなに素直で優しいんだってこと、零番隊にならなきゃ一生分からなかったな…。)
朽木の笑った顔を盗み見しながら資料をまとめあげ、予定時間よりも早く仕事を終えた。
「白哉さん、私の分終わったので他にやることあればしますよ。」
「…流石だな。兄にやってもらうことは…。」
「あ、無いですか?」
「ああ。帰ってゆっくり休むといい。」
立ち上がって椅子を直して私は気になっていたことを聞いた。
「白哉さん、最近私をよくお呼びになりますけど、忙しいのですか?」
「いや。そうではなくてだ…。その…。」