第11章 crown
零番隊始動から一年半。
「隊長!今日は六番隊に呼ばれていたんじゃないんですか!起きてくださーい!」
朝、私を起こしに来た嘉宗がドア越しに叫ぶ。
「ん~…起きてる……。」
「起きてないでしょう!遅刻しますよ!」
寝ぼけながらサイドテーブルの時計に目を見やると、朝の9時を指している。ちなみに約束の時間は9時30分。
「…あー、大丈夫だよ…。」
いつものことだから、とゆったりする私に嘉宗はもうぐうの音もでなかった。
「とにかく遅刻だけはしないで下さいね。」
「はーい。」
嘉宗の遠ざかっていく足音を聞きながら、ベッドからまったりと降りて死覇装と羽織を身につける。
ギリギリなので適当にスピードを出した瞬歩で六番隊へと向かった。
「白哉さんおはようございます。」
「おはよう。」
「今日の仕事の資料もらえますか?」
「そこに置いてある。」
「ありがとうございます。」
零番隊は基本何の仕事でも受け入れる。小さなデスクワークから重大任務まで多岐に渡ってこなすプロのようなもの。
例えどんな任務でも手を抜かず真剣に取り組むため、任務達成率は百パーセント以上になっいるのが私の自慢だった。
そして今日はデスクワークで朽木の補助の仕事を任された。
他の隊だとデスクワークなんてあまり任されないのだが、何故か六番隊はわざわざ私を呼んでは机に向かわせるのだ。
(これで呼ばれるの軽く十回目くらいかな。)